百年の窓
Contents展示場所が決まり、下見に来たとき、重い扉を開けたその中に分厚い型版ガラスの小窓がありました。
この大原第五ビルは築100年近い建物です。
おそらく元は外を眺めるためにあった窓が建物の増築などで塞がれ、内部化されたものでしょう。
隠された100年前の窓。
100年前、この窓から見えたのは和服の人々の中にぽつぽつと洋服を着る人々が混ざりはじめた大正時代の街の風景。
都市労働者やサラリ-マンを中心とする市民層が形成され、ビジネスオフィスの建設、デパ-ト、郊外電車の発展、応接間をもつ和洋折衷の文化住宅の出現,洋服,洋食,電燈,ガス,水道などが普及し、大衆文化が花開いた時代。
現在の私達を取り巻く風景の基盤が形作られた時代。
その時代に作られ、現在はひっそりと建物の内部にあるこの窓に私はとても惹かれました。
いびつな模様、分厚いガラス、時間の堆積……、そしてそこに滲む人のぬくもり。
これから100年で日本も世界ももっともっと変わっていくでしょう。
私がこうして100年前の窓を見て何か感じたように、100年後の人も今の私たちが築いたものを見て何かを感じるでしょうか?
そのときも
『人の手で作られたものは美しい』
と言ってもらいたいですね。
Schedule
2023.Oct.23 - 2023.Nov.05 11:00 - 18:00
沈み|shizumi
2017年、デザイナー伊豆味俊が立ち上げる。 一点一点手染め・ペイントを施し ブランドコンセプト「感情をまとえ」のもとに 静謐さの中で爆発する感情を表現。 2018年兄・伊豆味大作が加わり、 兄弟中心にチームが作られ現在に至る。
2022年9月に Rakuten fashion week 2023SS 出展。
Map
大原第五ビル 2F(階段室)
東京都中央区日本橋横山町4-10
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